シティポップ地獄はベランダから出られるらしいよ
イントロでターゲットを一気に絞り混むバンドってすごい。落ちない奴は「あ、これ俺向けじゃねえわ」って分かるし、落ちる奴はイントロで落ちる。洋画の開始10分ぐらいで、道路越しに目が合うだけで好きになっちゃうやつ。
まじでその辺の奴らは直感を信じすぎ。単細胞か。
恋愛は知らんけど、音楽的には非常に合理的だし、時代の流れに合ってると思う。tiktokさながらのgood/badの判断スピード。踊ってばかりの国、ネバヤン等レトロロック系の先駆者の方々。食われるぞ、ベランダに。
それが、この曲である。
ぬっっふぉぉぉおおいぃぁぁあああ!!!
良い。かっこよくない、顔が。好感度が、高い。
どこにでもいそうな男が、歌い出したと思ったら、何のヘンテツもない道路を歩き出したぁぁあああ!っていう、漂うインディー感。せめてもうちょっとヘンテツのあるところを歩けよ。貧しい子供に未来を。ベランダにヘンテツを。
何はともあれ、まじで顧客のニーズをよく分かってる。市場価値を理解してる。ただニーズを満たすだけだと音楽としてちっとも素晴らしくないんだけど、潜在的なニーズを引き出してくる、奴らは。
こんなガッツリ4ビートの曲ある?今時。ギターも、音数やエフェクターで変にごまかしてこないシンプルさなのに、曲として時間をかけてることが伝わってくる。こんな曲展開覚えられるバンド普通にすごい。記憶力の賜物。こいつらサビって概念知らないだろ、絶対。
売れたい!よりも、この曲聞いて!よりも、音楽好き!が彼らのyoutube上の存在意義。もう聞かなくていいよベランダ、ただの音楽オタクだから。
ほんと曲全部が優しさで溢れかえってんだよなぁ。こんなご時世だとすぐ騙されますよ。こいつら、交通費全支給の大手企業の面接でもLCC使うタイプ。サハラ砂漠でラクダに乗って、ご丁寧に降り賃払うタイプ。愛くるしい。
せめて曲聞いて、ライブに行ってみたりして、彼らのラクダの降り賃に貢献してあげてください。